ティム・バーナーズリー氏が提唱するインターネットの未来「Linked Data」とは?

前回もお話したワールドワイドウェブ(WWW)の開発者であるティム・バーナーズリー氏が、今から5年ほど前に新たなインターネットの形として「Linked Data」を提唱しました。今回は、このLinked Dataについてわかりやすくまとめてみました。

linked-data

ティム氏によると、Linked Dataとは従来のインターネットと同じく、Web上に無数の情報を置き、そこに誰もがアクセスできるような仕組みのことです。

では、従来のインターネットとどこが違うのかというと、Web上にどんな形式の情報を置くか、ということです。これまでのインターネットというものは「http」で始まる文書(ファイル)を共有することで情報を共有してきました。

それを単に文書(ファイル)だけではなく、データそのものを共有しようというのが、ティム氏が提唱する「Linked Data」の正体です。

tim1

“データはそれだけでは使い物にならない”

ティム氏はそう述べています。

しかし一方で、「誰かがそのデータを元に何かを生み出すことによって、データは私たちの生活に大きな影響を与えるもの」になるとも語っています。このデータの持つ「可能性」の部分に注目しているのがティム氏なのです。

彼は、世界中の人が無数の「生のデータ」をWeb上に置く(共有する)ことで、世界中の人がそれを使って分析・解析し、人類が抱える課題を解決していくのに役立つことができる、と強調しています。

そのためにもティム氏は「たくさんのデータを持つことが重要」と述べています。

tim2

また、ティム氏は「データは関連である」と言い、Linked Dataが普及することによって、一つの物事を調べると、それに関連する他の物事までも詳細に知ることができるようになると説明しています。

そして「つながるデータが多いほど、価値が高まる」と言うのです。

このLinked Dataは、「これまでにない新しい情報」を人類に提供しようという仕組みです。

tim3

実際に、Linked Dataでは、従来のWeb上には存在しないデータを調べることができるようになります。(これは、後に紹介するティム氏のプレゼン発表で説明されています)

このLinked Dataの最初の実例として、ベルリン自由大学のクリス・ビッツァ氏は、オンライン辞書「Wikipedia」からデータを抽出してLinked Data構想にもとづいて再構築する「DBpedia」というものをすでに作成しています。

DBpedia Japanese(DBpediaの日本語版)
http://ja.dbpedia.org/

DBpediaで情報を調べると、それに関連するいくつもの情報にアクセスし、互いの関連性を知ることができるというのです。そして、データの数が増えれば増えるほど、この「情報のつながり」は成長していくと予想されています。(ただし、上記サイトはまだ開発段階中です)

ティム氏は、このLinked Dataという新しい概念に「草の根運動」で協力してほしい、と呼びかけています。

もちろん、現在のLinked Dataの取り組みに対しては、さまざまな現状と課題も挙げられています。しかし、これはとても夢と可能性のある構想ではないでしょうか。

このLinked Dataに対するティム氏の熱意あふれるスピーチが以下にアップされているので、関心があれば、ぜひ一度見てください。(画面右下にある設定で日本語字幕を設定できます)

なお、参考資料として「日本語Linked Data Cloudの現状」(情報・システム研究機構および国立情報学研究所、2014年度人工知能学会にて発表)というスライドについても紹介しておきます。

http://www.slideee.com/slide/linked-data-cloud

参考になれば幸いです。

この記事が気に入ったらみんなにシェアしよう!

ABOUTこの記事をかいた人

1981年4月、熊本県生まれ。現在、大分市在住。妻と子ども2人(3歳と1歳の男の子)の4人暮らし。趣味はサッカー、読書、インターネット、ブログ、その他面白い話題を見つけること。その他関心がある分野は、小説執筆とコーチングです。最近では、子どもと一緒に機関車トーマスのプラレールにハマっています。好きな食べ物はチョコとコーヒーです。SNSでフォローしていただくと最新記事を読むことができます。よろしくお願いします。